2016年3月16日水曜日

雨の日の出来事 vol.5 テーブルに着いた僕以外の3人

当時、河口さんは、れっきとした公務員だった。勤務地が遠くなので、原則バイト禁止にそむいて、バイトをしてた。こずかい稼ぎなのか?ヒマつぶしなのか?それとも他に目的があったのか?何回かバイトが発覚して始末書を書かされたこともあったらしい、それも自慢してたからね。

ミサは、高校時代からあっちこっちでバイトをしてて、卒業後も、進学、就職もしないでここでバイトを続けていた。家事手伝いつうかフリーターみたいなもんだったと思う。小柄で、大きめなメガネを掛けて、どことなく神経質っぽい感じもあったけど、マンガのアラレちゃんぽい頃もあった。ヘアースタイル、カラーをいつも変えて、人懐っこい感じがしたときもあった。周りの人たちには、可愛がられていたと思う。

もう一人の男のことは、あまり思い出せない。正社員かバイトかだったら、正社員だったと思う。毎朝、各店舗を回って、前日の伝票やら集計表、書類を集めたり配ったりする係りだったような・・・・。地味目の男が二十歳そこそこのミサと結婚ってのは、びっくりした。みんなでいくらかをカンパして記念品として花瓶だったと思ったけどくれてやった。

ミサの家庭は、ちょっと複雑な環境だったらしい。奔放なミサも、妹が高校を卒業するのを機に、そんなのから早く逃げ出したい思ってたと僕は思っていた。

ほどなくして、ミサは、姿を見せなくなり、男も、家業を継ぐとか言って安月給のこの会社を辞めていった。

そろそろ、お終い

0 件のコメント: