ある バイトの話 本田さんのこと

オレが書き残さないで 誰が残すのか・・・・？

そんな気概でまた書くことにしました。

当時 桑田社長さんが直接に経営してた飲食店は 平塚の他に茅ヶ崎の南口にも１店舗有りました。まあ 飲食店と言うよりか 一般的なバー （ 自分は行ったことは無いけどね ） でしたが 支配人として店を任されていたのが本田さんでした。

しかし この人のアルコール中毒はかなりの程度のもので 桑田社長さんは 人前では まず部下とか従業員の悪口を言わない人だったけど たまに 「 本田はなぁ・・・・ブツブツブツ 」 独り言程度の愚痴を聞いてしまうこともあった。

茅ヶ崎のバーは 経営的にあまり芳しくなさそうで 桑田社長さんは店舗の契約切れとともに閉店を考えてたらしい。

ぼくがバイトを辞める辞めない前後にその通りに店を片付けて本田さんはと言うと平塚の店に移ってほんの短い間仕事をして退職した。その後は 知り合いのスナックの手伝いなんかをしてましたね 僕が本田さんと本格的に会話をするのはその頃あたりからで たまにスナックが終わった後 食事とかに誘われてぼくが運転手って感じでお供したりした。

アル中の本田さんは 仕事中は お客さんに勧められても あまり酒を口にしなかった 飲む時は ウイスキーの水割り２杯程度をかなり長い時間を掛けてそれで終わりにするみたいな感じだったような

ある日 市内の焼肉屋さんに行った

その店は深夜ってこともあるだろうけどお客さんが誰も居なくって それを差し引いても繁盛してるようには見えなかった 何か出てくるわけでもなく焼肉もつまみも無しでビールをチビリチビリ飲みながら 友人らしい店主と本田さんの会話を聞いていた。

店主は本田さんに 「 大磯の方でテニスクラブの工事の求人募集があるんだけど今度一緒にやってみないか？やることは 芝生運びとか土運びとか草むしり程度らしいけど 」
力仕事を今まで一切したことが無さそうな本田さんは 迷った感じもしたけど 後日 結局やることにしたらしい 水商売から足を洗うことを本気で考えてたんだろうか・・・・。

昼間の仕事を始めてほどよく日焼けした本田さんを１、２度 見かけた しかしと言うか やっぱりと言うか アルコールとは縁が切れないで 本格的？に体調を崩し 何回か入退院を繰り返した後 お亡くなりになってしまった。

昔に書いた 桑田社長さんやマネージャーの “人が寄り付き難い孤独好き風” とは対称的で全然タイプが違う ぼくとは一回り程年上ではあったけど人懐っこい感じのする人だった もう少し本田さんと付き合いが出来ていたらな・・・・ 今にしても思うことがある。