石柱の門を入ると、荒れた感じの石畳と固く踏みしめられた土の感じの小道が交互に続いた。
理恵が 「 そこ右ね♪ 」 とか 「 今度は左~っ!」 とかラリーのナビーゲーターっぽく指示して来る。( 何回 ここに来てるんだよ・・・・) 山陰の手前に鉄道の照明が見える。( あぁ・・・・ 東海道線の線路の近くなんだ・・・・ それに 思ってたほど怖くねーな・・・・とか )
突然、目の前にトンネルが現れた。( 敷地の中にトンネルって・・・・ ) かなり狭いのと真っ暗で先が見えない。理恵は入れる言ってるし、人が歩く位のスピードで入って行く。( こんなところでクルマをぶつけたらシャレにもならない・・・・)
側壁が土壁みたいなトンネルの中間あたりに差し掛かった時、車内に重い湿気に混じったカビ臭い空気が入って来た。ルームミラー越しに後ろを見ると、 もわ~んんっと灰色っぽい靄が漂っている・・・・。
たいして長くない、多分、長くっても20m程、時間にしても10秒の位のトンネルが異常に長く感じられた。
やっとトンネルを出ると、今度は、正面に古びた風の2階建ての日本家屋が現れる。 ( 納屋?とか家屋が一緒に並んでるみたいなの ) とすると、理恵が、きゃぁ~◎*△ ☆?£!悲鳴をあげた!
「 なによ?ただの家だろ!?」
「 だって 電気が付いてるじゃん!」 2階の隅に、ぼお・・・・っと障子に映るように灯りが灯っている。
「 夜だし 電気ぐらい付けるだろ??」
「 ううんん あの家は 人 住んでないんだよ!!」
「 はあ・・・・?」
何が何やら・・・・、正常な判断と言うか、区別も出来なくなってしまった。もう、ここから早く抜け出したい!それしか考えられなかった。スピードを上げて、暗闇の中を何回か曲がったりした後、入った門とは違う出入口?から外に出ることができた。
国道に出て、暫く走って、少し落ち着くためにクルマを路肩に寄せて止めた。理恵は、ゴクンと音がする位、つばを飲み込んだ後
「 ねえ 怖かった? 怖かったでしょ?」
「 ・・・・・・・・・・・・・・ 」 無言
「 それじゃぁ もう一回 行ってみる?」
通り過ぎて行く対向車のヘッドライトに時より照らされる理恵の横顔がやけに青白く見えた。
実は、この時のほんの少し前、不思議なこと?に気が付いていた。思い違いかもしれないけど怖いもの好きで好奇心のかたまりみたいな理恵に話せば収拾が付かなくなるのも分かっていたから、理恵には話さなかった。
2018年3月5日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿